
Encadenado al Ánima – Invisible の和訳。ルイス・アルベルト・スピネッタ率いるプログレッシブロックバンド、インビジブレのセカンドアルバム「Durazno sangrando」のオープナー。このアルバムはカール・ユングとリヒャルト・ヴィルヘルムの著書『黄金の華の秘密』に基づいたコンセプトアルバムとなっている。ユング心理学において、アニマは男性の無意識の中にある女性像だと書かれているが、この曲ではその無意識と向き合うことを恐れるがあまりに、身動きが取れなくなる状態を「アニマに縛られて」と表現している。
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和訳
そう、天の太古の門1
そう、天の太古の門
そう、天の太古の門
そう、天の太古の門
それは今日と昨日の体を冷やす
健全だからと記憶は否定され、そして燃えていく
目に映ることなく吠える街の門で
知らぬ間に惑星は回転する
君の記憶はその中で生きているように
そこへ君が走ることはできない
そこへ君が走ることはできない
影の中の吹雪が煙を吹き飛ばす
赤い夜明けで燃える人形から
そして狂気に燃える
窓を覗く顔たち
僕の思考の中で結晶化しようとする
幻覚の形で
幻覚の形で
まるで家具が、動くこともなく彼女たちのことを語りかけてくるように2
まるで家具が、動くこともなく彼女たちのことを語りかけてくるように
背後で不可解な音を立てながら
夜は傲慢なやり方を捨てる
好き勝手に揺れるようなやり方を
そして召使いの服も
家中を歩き回る
夜が来る、もしかしたら明日には
影のある時間はなくなるのかもしれない
光は石の間で眠りにつく
貪欲は羽を震わせ
犠牲の草を撒き散らす
夜の足を使って飛び立つ犬たち
目のないドラゴンの口から、冷たい風が呻く
激しい雨の日々の穴
女を引き寄せようとする
激しい雨の日々の穴
顔のない女を引き寄せようとする
その女は家中を彷徨う3
距離は永遠に流れゆく川だ、それはライオンの背中で身を潜めている4
脚注
- 「天の太古の門(el viejo portal del cielo)」は、『黄金の華の秘密(El secreto de la flor de oro)』の単なる言い換えではなく、天と地、意識と無意識といった様々な境界線を隔てる門だと言える。 ↩︎
- 「ellas」は複数の女性を表す女性代名詞で、ここでは「caras(顔)」という女性名詞に対応する代名詞であり、アニマが女性であるという点とも繋がる。そしてこのバース自体はジャン=ポール・サルトルの『存在と無』の思想と深く結びついている。石ころのような「物体」は意味や本質を持たず、ただそこにいるだけ。「人間」は自由の刑に処せられた存在であり、人間の「行動」は自由と責任の表れである。つまり、家具のような「物体が話しかけてくる」と、話が変わってくる。 ↩︎
- この女性はアニマを指している。顔のないアニマは認識されることなく、意識の外で徘徊している。 ↩︎
- この曲の対となる「En una lejana playa del animus」もエンディングは同じ言葉で締めくくられる。ユング心理学では、アニマ(死)とアニムス(生)は対立するものではなく、統合するべき補完的な力だと書かれている。 ↩︎
歌詞

